【独占取材】ヒクソン・グレイシー・セミナー in 自衛隊 ー後編ー

2018年2月12日(月)陸上自衛隊・朝霞駐屯地で開催された歴史的な講習会「ヒクソン・グレイシー・セミナー」後編。

2時間に及んだこのセミナーで手取り足取り熱心に指導をするヒクソン氏の姿に、参加した自衛官の方々も時にはメモを取るなどし、真剣な眼差しで聞き入っていた。

今回のセミナー開催にあたり尽力された自衛隊体育学校 第1教育課 格闘班 2等陸曹の森江弘幸氏の真摯な思いと、セミナーを終えたヒクソン・グレイシー氏からのメッセージをお送りします。

© Photo by Xesanat Text by Hiroko (A-bonD Japan)
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「ヒクソン・グレイシー・セミナーin自衛隊」
2018年2月12日(月) 陸上自衛隊・朝霞駐屯地

■ヒクソングレイシー氏セミナーを自衛隊朝霞駐屯地で開催されるとなった経緯を教えて下さい。
森江2等陸曹:私は全日本柔術連盟(JJFJ)理事長兼AXIS柔術アカデミー代表の渡辺孝真先生から柔術を教わっています。また、米国においてグレイシーアカデミーが主催する軍隊・警察等の法執行官用の訓練に参加し、進化する格闘技術と指導法を受けました。そのような中で、来日されたヒクソン先生にセミナーの依頼をしたところ、快く承諾をいただき今回のセミナーが実現しました。


自衛隊体育学校 第1教育課 格闘班 2等陸曹 森江弘幸氏

■ヒクソン氏はとくに護身術に重きをおいた柔術家だと思うのですが、その技術体系が自衛隊員に役立つと思われたんですね。
森江2等陸曹:グローバルな安全保障上の課題や国家間との相互依存関係の拡大・深化に伴い、我々自衛隊(Japan Self-Defense Forces)一隊員に求められる任務、能力は多様性を帯びてきています。

自衛隊体育学校格闘班は、日本の自衛隊格闘における総本山といえるのですが、過去の歴史から脈々と受け継がれる格鬪術は、戦士としての根本を受け継ぎつつ、継承と進化を続けています。現在交流している米陸軍の格闘プログラムにはグレイシー柔術の体系が多く採用されているんです。格闘技術だけではなく訓練、指導要領も組み込まれ、近接戦闘や戦闘以外での対処行動などの様々な場面で対応出来る兵士を育てるための有効なプログラムでした。

■このセミナーを自衛隊で開催した意義はどのようなものでしたか?
森江2等陸曹:戦士としての心構えと、実戦性の追求です。多くの隊員が10代で入隊し、それを境に一般の国民から自衛官になるわけですから、立場をよく理解させて社会的な教養も学ぶ必要がありますし、自衛官として心の修養が必要不可欠です。ヒクソン先生の著書や、戦う姿から、その心の在り方は学ぶ事が多々ありましたが、実際にお会いし、お話を聞き体感できたことは我々自衛官にとって、戦士としての意義を考えさせていただける非常に大きいものでした。

■セミナーを受講されていかがでしたか?
森江2等陸曹:呼吸法の実習や映像では伝わらない見えない力を体感出来ました。それは格闘の本質的なところと言いますか、技術だけにとらわれない本当に重要な部分だと思います。現在の自衛隊の任務は多様化されていて、武器の取り扱いだけではなく、徒手の技術も不可欠です。実戦性といいますか、相手を無傷で制圧するだけでなく、逮捕術や「実力行使する技術の幅」が必要で、柔術にはその技術の幅があります。

■やはり「自衛」という部分で護身術をベースとしたグレイシー柔術には通じるものがあるということですね。
森江2等陸曹:自身が不利な状況に陥ってからの脱出法は柔術の一般向けな護身術と、我々自衛官も根本は変わりません。そこに自身が所持する武器や、環境や彼我の人数、そして任務が加わってきますが、やはり徒手のスキルが重要なのです。

■歴史的セミナーの収穫は大きかったようですね。
森江2等陸曹:今回ヒクソン先生が自衛隊に協力していただいた事は自衛隊格闘にとって大きな一歩であり、世界における自衛隊格闘の位置付けもにも影響するものだと確信しています。今後も本質的な部分をベースとして、我々の任務状況下に起こりうる様々な事態を想定した訓練をして、隊員が迷いなく任務に邁進出来るようさらに精進したいと思います。

 


 

感動の余韻に浸ってるワタシ達に突然、朗報が。
「少しだけなら、インタビューが出来ますよ。どうします?」と。
タイトなスケジュールでインタビューは難しいかもと聞いてたので「やります!」と即答。
嬉しかったけど、同時に物凄い緊張がワタシを襲う。
あ!そうだ。こんな緊張した時こそ、呼吸だわ。教わったばかりの呼吸を早速トライ。
効果があったかなかった感じる間もなく、広報の方々と応接室へ。5分間ほど待った時間が、物凄く長く感じる。すると、スーツ姿のヒクソンさんが、ワタシの目の前に再登場。道着じゃなくても、このスーツ姿もカッコイイ!ドキドキな状態でインタビュー。先ほどのセミナーでいくつか疑問に思ったことを質問した後、最後にこんなことを尋ねました。

ワタシ「かつてヒクソンさんが日本でファイターとしてリングに上がった頃、K-1、PRIDEが物凄く盛り上がり、日本では格闘技観戦がブームになりました。その頃に熱狂していたファンの子供達が今、新世代ファイターとして新たな格闘技ブームの火付け役となっています。そんな彼らに向けて、何かメッセージを下さい。」

ヒクソンさん「日進月歩、格闘技が日々進化しているのは、私も感じています。私が若い世代の方々に伝えたい事は、それでも格闘家として闘う時にはメッセージを持って欲しい。競技的な勝ち負けだけに留まらず、その先にあるメッセージを観てる人々にも投げかけて欲しい。メッセージのない闘いは何かが足りない。私はそう思います。意味のある闘いを。メッセージのある闘いを。若い方々には期待します。これはどの格闘技にも、もっと言うと、どのスポーツにも私が競技者に期待している事です。皆さん、頑張ってください。」

メッセージを持つ。

メッセージか、、、これは人生にも言えることよね。
ただ、お金持ちになりたい。幸せになりたい。人よりも良い暮らしがしたい。それだけ追っかけるのはつまんないし、虚しい気がする。
何かが欲しい。そう、メッセージが欲しい。
ワタシの存在する理由って?子供達にとって。家族にとって。友人たちにとって。ワタシってなんだろう?私にとってワタシってなんだろう?
そこにあるメッセージは?うーん、ヒクソンさんの影響で、なにか“哲学者”みたいになったワタシ。
この一日だけの“ヒクソン”体験で、数年分、ぐっと成長できた様な気がする。
これこそ“一期一会”な体験なのかも。来年、ヒクソンさんに再会できる日を夢見て、ワタシも頑張ります!

【独占取材】ヒクソン・グレイシー・セミナー in 自衛隊 —前編

【独占取材】ヒクソン・グレイシー・セミナー in 自衛隊 —中編—


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