荒木経惟展「淫秋 – 般若心經惟」

写真家・荒木経惟の「淫夏」(2015)「淫冬」(2016)の二つの展覧会に連なる新作展「淫秋」が9月9日(金)よりスタートした。

常に、斬新で予想を超える最新作を発表しつづける荒木経惟の今作は和紙にプリントされた写真に、書で「般若心經」をしたためたパワフルな初展観となる。

荒木氏の書は、本場・中国でも高く評価され、人気を博しているパリ・ギメ美術館(〜9/5)での個展や書によるNHK特集番組のタイトル文字など、国境を越えてアクティブに展開されている。
これまでも、荒木氏は、永井荷風、種田山頭火、北斎ら先人による作品や「往生要集」、「万葉集」、「梁塵秘抄」などの古典に感応、それぞれのエッセンスと自らの心境を重ね合わせた、数々の傑作を生み出してきた。

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本展のモチーフである教典「般若心経」は、『西遊記』の基となる『大唐西域記録』を著わした僧・玄装の訳した全巻600から成る「大般若経」のエッセンスが260余文字にまとめられたもので、大乗仏教の根本として普及している。
「般若」は智慧を、「波羅蜜多」は「悟りを開く」ことを意味しておりこの世に存在するすべてが「無」であり、真理は「空」にあると説き、日々の精進の大切さを指し示している。
彼岸(=死)と此岸(=生)の境界を描き出す「楽園」シリーズ最新作の写真と、「今」を懸命に生き抜くことのみが人生を輝かせる、と示唆する般若心経の言葉が有機的に結びついている。

また、本展では、インスタントフィルムの最新作も展観される。
2点をカットしてダイレクトに接ぎ合わせて大胆にコラージュしたものでこれまでのシリーズ「結界」(2014)「半夏性」(2015)に続く 作家の緻密な手作業から生まれた貴重な作品群だ。

荒木経惟展「淫秋 – 般若心經惟」

会期:2016年9月9日〜11月11日(金)13:00〜19:00 月曜・火曜休
会場:アートスペースAM
150-000 東京都渋谷区神宮前6-33-14 #301/302
TEL 03-5778-3913
URL: http://am-project.jp