君たち、たかが映画じゃないか「ヒッチコック/トリュフォー」

トリュフォーとヒッチコックの最初の出会いは、1954年の冬、「カイエ・デュ・シネマ」誌のためのインタビューでのこと。そして、その8年後の1962年の春、トリュフォーはヒッチコックにインタビューを申し込む長い手紙をしたためる。インタビュー本出版の暁には、“あなたが世界中で最も偉大な監督であると、誰もが認めることになるでしょう”と宣言入りで。

長年、アメリカでの評価にフラストレーションを募らせてきたヒッチコックは、この若きフランス人監督からの手紙に歓びを隠さなかった。その返事には、手紙を読んで涙が出たと告白し、 トリュフォーからの申し出を快諾する旨を書き送っている。

こうして1962年8月13日、ヒッチコック63歳の誕生日にインタビューは始まった。ユニバーサル・スタジオの会議室にまる1週間こもって、通訳者ヘレン・スコットの助けを借りて行われたインタビューは、録音テープざっと50時間分にも及んだ。そのインタビューから膨大な音源を書き起こし、一作ごとに豊富なスチール写真やコマ撮りのイメージでヒッチコックのテクニックと映画理論を解説してゆく「映画術 ヒッチコック/トリュフォー」は、4年後の1966年、フランスとアメリカで同時に出版。このヒッチコックを真の映画作家、芸術家として世界に認識させることに成功した伝説の映画本は、各国で翻訳され、世界中の若い映画作家や映画ファンのバイブルとなった。

bogdanovitch

scorsese

映画『ヒッチコック/トリュフォー』は、この「映画術」のための伝説的インタビューの貴重な音源と、写真家フィリップ・ハルスマンによるインタビュー風景、その後20年にわたるふたりの友情を感動的に映し出すドキュメタリーだ。

schrader

linklater

kkurosawa

gray

さらにマーティン・スコセッシ、デビッド・フィンチャー、ウェス・アンダーソン、リチャード・リンクレイター、黒沢清といった錚々たる現代の巨匠たちが登場し、いかに「映画術」の影響を受けてきたかを熱く語り、独自の視点でヒッチコック映画を解説してみせるという実に豪華なフィルムである。

fincher

desplechin

assayas

anderson

伝説の本「映画術 ヒッチコック/トリュフォー」にまつわるドキュメンタリーは12月10日より 新宿シネマカリテほか全国順次公開

14691050_227878960960465_9005932471670667167_n

映画「ヒッチコック/トリュフォー」

監督:ケント・ジョーンズ
脚本:ケント・ジョーンズ、セルジュ・トゥビアナ
出演:マーティン・スコセッシ、デビッド・フィンチャー、アルノー・デプレシャン、黒沢清、ウェス・アンダーソン、ジェームズ・グレイ、オリヴィエ・アサイヤス、
リチャード・リンクレイター、ピーター・ボグダノヴィッチ、ポール・シュレイダー

2015年/アメリカ・フランス/英語、仏語、日本語/80分/ビスタ/カラー/5.1ch/原題: HITCHCOCK/TRUFFAUT/日本語字幕:山田宏一

提供:ギャガ、ロングライド 配給:ロングライド
協力:アンスティチュ・フランセ日本/フランス大使館
配給:ロングライド

© COHEN MEDIA GROUP/ARTLINE FILMS/ARTE FRANCE 2015 ALL RIGHTS RESERVED. PHOTOS BY PHILIPPE HALSMAN/MAGNUM PHOTOS

12月10日より 新宿シネマカリテほか全国順次公開 

映画「ヒッチコック/トリュフォー」Official Site