すべてのUKロック・ファン必聴! アートワークは、ダミアン・ハースト!「JEFF WOOTTON」

彼は、ディック・レイルなどのサーフ・ロックに端を発し、ジェフ・ベックの「Beck’s Bolero」やジミ・ヘンドリックスの「Third Stone From the Sun」といったサイケデリックなインストの名演へと続く、ギター・ロックの血統のど真ん中でギターを掻き鳴らしながら、ロバート・フリップの怪しげなノイズの描写を経由してテレヴィジョン/トム・ヴァーレインやイーノがプロデュースしたU2へと至り、やがて、ソニック・ユースやダイナソーJr.、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインといった赤裸々なルーツへと立ち返る。この過度に音響にこだわる伝統を真摯に遵守しつつ、ウートンは嵐のごときサウンドを奏でるのだ。
– Mojo

2010年、若干23歳にしてゴリラズにリード・ギタリストとして加入。そこでザ・クラッシュのミック・ジョーンズやポール・シムノンらと共演し、コーチェラやグラストンベリーのようなビッグ・フェスのステージ、そして歴史的なシリア・ダマスカス公演にも参加。ウートンを気に入ったデーモンは、ゴリラズに留まらず、再結成ブラーやデーモンのソロ・プロジェクトにもウートンを起用している。

特にアフリカ・エクスプレスをはじめとするデーモンのアフリカン・ミュージックの一連のプロジェクトのメンバーに抜擢されたことがウートンのミュージシャンとしての才能を大きく飛躍させ、そこでは今作のインスピレーションともなったというブライアン・イーノやヤー・ヤー・ヤーズのニック・ジナーとも仕事をしている。

しかし彼が稀有な存在として注目を集める理由はそれだけではない。オアシス解散後のリアムのバンド、ビーディ・アイにも結成当初から参加、大規模なワールド・ツアーや2013年のラスト・アルバムの『BE』までリアムと活動を共にする一方、ノエルとも彼のセカンド・ソロ・アルバム『Chasing Yesterday』収録のナンバー「Ballad of the Mighty I」のミュージック・ビデオに出演、現在もノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライイング・バーズのライブ・メンバーに名を連ねている他、最近のライブではオープニング・アクトも務めている。

絶縁状態にあるリアムとノエルの間をフットワーク軽く渡り歩くかのようにキャリアを積み、デーモン・アルバーンとギャラガー兄弟という両極のビッグ・ネームに寵愛され、他にもマッシヴ・アタックや元カンのダモ鈴木のようなレジェンドから、ザ・ラスト・シャドウ・パペッツやカサビアンのような若手〜中堅バンドまで幅広く仕事をしているジェフ・ウートンは、現代のロック・シーンにおいて、他に類を見ない存在である。

満を持して日本でリリースされることとなった彼のデビュー・アルバム『The Way the Light』は、期待に違わず、全編に亘ってその驚くべき音楽的才覚が示された傑作となっている。ウートンの故郷マンチェスターとカリフォルニア州トパンガを行き来しながらレコーディングされた本作は、イーノから学んだという「ミュージシャンとエンジニアが同じ部屋で作業することの重要性」をテーマに、ボブ・ディラン、ニール・ヤング、ダニエル・ラノア、U2などを手掛ける敏腕エンジニア、マーク・ハワードと共に制作。そしてギャング・オブ・フォーのマーク・ヒーニーがドラムで参加。それ以外のパートはすべて自身が行っている。

90年代UKのギター・サウンド直系の後継者であることを印象付けながら、プログレッシヴな多展開もメロディの良さを生かしたミニマルな展開も自由自在、クラシックなギター・ロックであり、フォークやカントリーのルーツ・ミュージックに忠実だったりする一方で、エクスペリメンタルでアブストラクトな“間”で聞かせるアートなナンバーまで、ギタリストのソロ・アルバムの定型にはまったく当てはまらない、ウートンの傑出したバランス感覚が光る作品である。またアートワークをイギリス現代アートの鬼才、ダミアン・ハーストが手がけていることも特質すべき点として挙げられる。

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JEFF WOOTTON / The Way The Light

release date: 2016.10.05 WED ON SALE
BRC-531 国内盤CD
国内盤特典:ボーナストラック追加収録/歌詞対訳・解説書付き