若き孤高の天才、キング・クルール最新アルバム『The OOZ』

弱冠18歳で“BBCサウンド・オブ・2013”にノミネートされたことで一躍脚光を浴び、UKインディー・シーンの次世代を担う存在として、最も注目を集める孤高のアーティストで、長年のコラボレーターであるマウント・キンビーの新作の客演も記憶に新しいキング・クルールことアーチー・マーシャルが、最新アルバム『The OOZ』のリリースを発表した。キング・クルール名義としては、2013年のデビュー作『Six Feet Beneath the Moon』に続く、2ndアルバムとなる。本作では、渋くしゃがれたヴォーカルで語りかけるように歌う独特のスタイルを通して、若かりし頃の迷いや苦しみを、美しくも身を切るようなストーリーや詩にストレートに昇華させている。今回の発表に合わせてミュージックビデオと共に公開された新曲「Dum Surfer」は、いきなりPitchfork【Best New Music】を獲得するなど、その注目度の高さを証明している。

渦巻くジャズとギターを伴うオープナーの「Biscuit Town」では、堪え難いショックを表現しており、失われたロマンスと自らがバラバラになっていく様を非常に痛ましい詳細とともに歌い上げている。このような自己破滅的な痛みをともなうテーマや不安定な人間関係は、天性の詩人であるアーチー・マーシャルにとって、切っても切り離せないものだ。誰かに夢中になればなるほどその誰かがいなくなった時、自らが失われてしまう。この感情は、「Midnight 01 (Deep Sea Diver)」や「Slush Puppy」などに強くあらわれている。自分がよく知り、愛する街で、心休まる場所を必死に探すが、その願いとは裏腹にひたすら暗いムードが空気を覆い尽くしてく様子は、「The Cadet Leaps」やすでに公開されている「Czech One」で漂っている。そして「Emergency Blimp」や「A Slide In (New Drugs)」で歌われているように、ドラッグが与える高揚感もその状況は打開できない。


まるで南ロンドンの壁の割れ目から染み出したかのように、荒涼とした風景や急激に落ちぶれてしまった悲惨な街の様子を表現した巧みな言葉は、国を超えて多くの同世代から共感を獲得するだろう。そしてジャズ、ヒップホップ、インディー・ロック、ポスト・ダブステップなど様々な音楽を吸収し、特徴的なバリトン・ヴォイスと共に届けられるメランコリックなサウンドにも確かな進化があらわれている。

若き孤高の天才、キング・クルールの最新アルバム『The OOZ』は、10月13日 (金) に世界同時リリース。国内盤には解説書と歌詞対訳が封入される。

King Krule / The Ooz

label: XL Recordings / Beat Records
cat no.: XL872CDJP
release date: 2017.10.13 FRI ON SALE
国内盤CD:歌詞対訳・解説書付き
定価:¥2,000+税
iTunes Store: http://apple.co/2y0OOIL